女性スタッフ日誌：「すみれ色のお着物と紫陽花」

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2020.06.30

故人様はすみれ色のとても綺麗なお着物をおめしになっておられた82歳の女性の方でございました。

喪主様、妹様、甥っ子様は急なご不幸に慌てて県外から駆けつけて来られたご様子でした。
とても仲の良かったご友人も駆けつけて来られ受付のお仕事をお手伝いされておりました。

綺麗にメイクされ、お着替えの終わった故人様をごらんになり
「わぁ～きれいよ。お着物着れてよかったわね…」
と、話しかけられておりました。
そのお姿は一緒にお茶でも飲みながら世間話でもしていらっしゃるようでした。

故人様はフォークダンス、海外旅行と多趣味でいらっしゃったそうでお一人での生活を満喫されていらしたそうです。
「とてもしっかりしていて自分にも厳しいけど、人にも厳しくて甘えることがなかったわ。
私たちの体の事ばかり気遣って…こんなに急に逝ってしまうなんてね…」
と、友人の方が涙ぐまれ言われておりました。

お柩には季節の色とりどりのお花を溢れる程皆様に入れていただきました。

お着物と同じ色の紫陽花。
「この色大好きだったんよ。良かったね～こんなにたくさんお花入れてもらって…」
妹様はお声がけされ涙を拭っておられました。
「また、遊ぼうな。忘れんでよ」
ご友人が大粒の涙でお声がけされお別れの言葉となりました。

出棺時にご友人が
「これで本当に逢えなくなるんやな…本当に最後なんやな…寂しい…」
と、呟かれておりました。

それまで降っていた雨もあがり晴れ間の見えるご出棺となりました。
晴れ間の見える空を見上げながら何でも話せる、気心の知れた旧知の友人を思い出したお式でございました。