女性スタッフ日誌：「笑い声の絶えない時間」

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女性スタッフ日誌：「笑い声の絶えない時間」

2020.06.26

今回お手伝いさせていただいたのは70代の男性でした。
6人兄弟のうち遺された三姉妹の方々を中心に通夜は執り行わず、ご遺族・ご親族様のみの一日葬でお別れをされました。

ご葬儀までの3日間、とても明るくお話し好きの仲が良い三姉妹が故人様のお側に居られ和やかにお過ごしになっておられました。

ご挨拶をさせていただいた後、お柩の中の故人様のお顔を覗くと、とても安らかで綺麗な顔をされていました。
じっと故人様を見ていた私に三姉妹の方々から声をかけてくださり
「○○ちゃん(故人様)の立派な眉毛が頭にあったら良かったのにねー」
と冗談混じりに笑って明るくいろいろとお話ししてくださいました。

義姉様をはじめご親族様も式場に到着され、お柩のまわりを皆様で囲み
「綺麗な顔しちょんやん！」
と笑みを溢され、
「おとうちゃん、おかあちゃん連れてきたでー！会えてよかったなー」
と過去帳を取り出し故人様へ見せながら声をかけられ、皆様話しに花が咲いておりました。

三姉妹の方々もご親族様もとても仲が良く、明るくにぎやかに談笑されているお姿や笑い声の絶えない時間はとてもほっこりとし、故人様にも伝わっているのではと思いました。

お話しできなくなった故人様ではありますが、故人様も交えて一緒に会話を楽しまれているような雰囲気がとてもあたたかく印象的でした。

最初は明るすぎる雰囲気に少し戸惑いましたが…
故人様を偲び悲しむより、死を受け入れ、生前当たり前のようにあった笑いで溢れる日常のように、気兼ねなくにぎやかに故人様を見送る…
故人様自身のことを心から想っているからできることでもあり、このような明るいお別れも家族葬の良さの一つだと感じました。

お式の前には担当者より、お式の流れとともに焼香のお作法についても説明があり、説明の後には三姉妹をはじめご親族様は私共スタッフと一緒に何度も焼香への出方や作法を練習されました。
「間違えても大丈夫ですよ。そのお気持ちが嬉しいと思います。」
と伝えましたらホッとされた表情をされつつ、それでも
「こういうことがないとみんな揃わんけん、こういう時にちゃんと覚えちょかんとなー」
「○○ちゃん(故人様)のおかげやなぁ」
と、故人様が繋いでくれたご縁に感謝され、笑い声が飛び交いながらおひとりおひとり納得いくまで練習されておりました。
とても微笑ましい光景でした。

最後、故人様とのお別れでは祭壇のお花をお柩に入れやすいようにスタッフにて切り花にさせていただきました。
お姉様の
「花入れてあげようよ！」
の率先した一声で皆様の手でお花入れをしていただき、お煎餅やプリン等のお菓子もお顔の側に納められました。

「いっぱい持って行き過ぎて重たかろー！」
と妹様が故人様に声を掛けられると笑いが起き、皆様思い思いに
「良かったなー」
「頑張ったのが楽になったなー」
「おかあちゃんによろしくー！」
「仲良くしてなー」
と次々と故人様にお声をかけられあたたかく送り出されました。

お式の前からご出棺の時まで
「至れり尽くせりでありがとうございます」
と何度も私共スタッフにお声をかけてくださり、同じ時間を共有させていただいて感謝するとともにたくさんのことを教えていただきました。

ありがとうございました。