女性スタッフ日誌：「自慢の孫で居続けられるよう頑張っていきます」

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女性スタッフ日誌：「自慢の孫で居続けられるよう頑張っていきます」

2020.06.27

とても明るく何事にも一生懸命で、責任感のある働き者だった故人様。
3人のお孫様が自慢で誇りに思っており成長を楽しみにされていた80代の男性でした。
野球観戦に行くのを楽しみにされていて、演歌がとてもお好きだったとおうかがいしました。

式場内の出来上がった花祭壇と、お花に囲まれた故人様の遺影写真をご確認いただくと、長女様は
「写真を見ただけで泣きそう…」
と目を赤くされ涙が頬を伝いました。

ご納棺の際は、故人様が生前よく着られていたお洋服と、大好きだった野球チームのレプリカユニフォームとメガホンが納められました。

ご葬儀当日、入所されていた施設から奥様が到着されました。
共に長い日々を過ごされていたご夫婦…故人様の最期を看取ることができず悲しいご対面となりました。

故人様のお顔をご覧になり、
「どうしてこげんことになったんかのー」
「せちぃなぁ(ツラい)」
「むげねぇなぁ(かわいそう)」
と堰を切ったように声を上げ涙されました。
側にいらしたご遺族様や式場内にいらっしゃったご親族様は皆様つらい表情をされ、ただ見守られる方や涙を溢される方もおり、その光景に私も胸が締め付けられるような思いでした。

お式の中で、故人様にとってご自慢の3人のお孫様を代表されおひとりお別れの言葉を述べられました。
県外にいらっしゃったお孫様は
「じいちゃんの最期、直接会えなくてお別れになったのが寂しいです」
と語られ、生前ご自身を誇りに思っていてくれたことに対して
「じいちゃんがいつも元気で笑っていてくれてたことが私にとって誇りでした。
いま勉強できてたり楽しく過ごせてるのはじいちゃんのおかげで、これからも自慢の孫で居続けられるよう頑張っていきます。
今までありがとう」
と、感謝の想いが伝わるとても心あたたまるお言葉でした。

最後のお別れの時間では、故人様がお好きだった野球チームの曲を流し、
「好きやったもんな」
「お父さんありがとねー」
「また会おうねー」
と皆様が故人様に声をかけながら祭壇のお花やいただいたご供花のお花をお柩いっぱいに入れていただきました。

長女様が
「お父さんおにぎり！」
とお柩の中に入れられ、
「好きやったカロリーメイト入れとくなー」
「口がパサパサするけんお茶も入れとくけん」
と、皆様笑みが溢れる中おっしゃられ、故人様に手向けられました。

ご遺族・ご親族様の皆様がおひとりおひとりと
「育ててくれてありがとう」「孫の面倒みてくれてありがとう」「迷惑掛けてごめんな、ありがとう」
「お母さんのこと見守ってね」
「家のことは心配せんでいいけんな」
「がんばったね」「お世話になりました」
と、故人様との思い出を胸にたくさんの感謝を伝えられる中、
時折声を上げ涙されていた奥様はお柩の蓋を閉じる最後まで故人様のお顔の横に寄り添われ、お顔に触れつつただじっと静かに故人様を見つめられていたのが印象的でした。

奥様の深いお悲しみが少しでも癒えるようただ祈るばかりです。

ご遺族・ご親族様たくさんの方々に見守られ、深い悲しみの中にも皆様の愛情が伝わるようなとても心に残るお見送りとなりました。